ストップシグナル課題 SSRT — 衝動制御・反応抑制の無料テスト

ストップシグナル課題で反応抑制力を確かめましょう。左右の矢印に反応しつつ、赤い枠が出たら止める64試行の本番から、停止成功率とストップシグナル反応時間(SSRT, ms)を算出します。約4分・無料。衝動性のセルフチェックであり診断ではありません。

検査の構成

所要時間
~4
料金
無料

何を測るのか

ストップシグナル課題は、すでに始まった行動を途中で止める力、つまり反応抑制を測定します。左または右の矢印が出たら1.5秒以内に同じ方向のボタンを押すのが基本課題で、一部の試行では矢印の少し後に画面の周囲に赤い枠が現れます。そのときは押そうとしている手を止めるのが課題です。

中心となる指標はストップシグナル反応時間(SSRT)です。停止信号を見てから実際に行動を取り消すまでにかかる内部処理時間を推定した値で、外からは見えない抑制過程の速さを数値化したものです。理論的な土台はLoganとCowan(1984)のレースモデルで、実行反応と停止反応が競争し、先に終わった方が勝つと仮定します。

停止信号が出るタイミング(SSD)は固定ではなく、成績に応じて動きます。止めるのに成功すると次の停止信号は50ms遅く、失敗すると50ms早く出ます(200msから開始、50〜1,100msの範囲)。この階段式の調整によって停止成功率が50%付近に収束し、その状態でSSRTを安定して推定できます。

スコアの読み方

練習8試行(うち停止2試行)の後に本番64試行が行われ、そのうち16試行(25%)が停止試行です。結果画面の一番上の停止成功率は、設計上50%付近が正常で、これは上手い下手ではなく難易度調整が正しく働いたことを意味します。50%から大きく外れると(25〜75%の範囲外)、SSRT推定の信頼度が低いと併せて表示されます。

SSRTは積分法で計算します。すべての実行試行の反応時間を速い順に並べ(無反応の試行は1,500msとして入れる)、停止失敗率に対応する順位の反応時間から平均SSDを引いた値がSSRTです。停止試行で全部止められた、あるいは全部押してしまった場合は計算できず表示されません。

解釈の区分は、200ms未満なら非常に速い抑制、200〜279msは一般成人の平均範囲(約200〜280ms)、280〜349msはやや遅め、350ms以上は遅めと案内されます。実行正答率、実行平均反応時間、無反応回数、平均SSDも表示され、実行反応が遅かったり無反応が多かったりするとSSRTが歪むことがあるので参考にしてください。

結果に影響するものと活用法

最も多い歪みは、停止信号を予想してわざとゆっくり反応する戦略的な待ちです。こうすると実行反応時間が延び、SSRTが実際より良く出ます。矢印が見えたらためらわずすぐ押し、赤い枠が出たときだけ止めるのが正しいやり方です。睡眠不足・飲酒翌日・疲労は抑制速度を遅らせ、カフェインは人によって双方向に作用します。

タッチ端末の入力遅延は実行反応時間とSSRTの両方に乗るため、端末を変えると値も動くことがあります。年齢とともにSSRTは長くなる傾向があり、ADHD研究では集団平均としてSSRTが長いという報告が繰り返されていますが、個人差が大きく、一人の数値で何かを断定することは難しいです。

活用の基本は推移の観察です。3〜4週間間隔で同じ条件で繰り返し、信頼度低下の表示がない結果だけを集めて比較してください。結果はセルフチェック用で診断ではありませんが、体調のよい日でもSSRTが繰り返し350ms以上で、日常で衝動的なミスや言動を止めにくい経験が多いなら、精神科の診療で相談してみる価値があります。

よくある質問

停止成功率が50%程度しかなかったのですが、うまくできなかったのでしょうか?

いいえ。この課題は、止めるのに成功すると次の停止信号を50ms遅く、失敗すると50ms早く出す方式で難易度を調整するため、誰でも成功率が50%付近に収束するよう設計されています。むしろ50%から大きく外れると(25〜75%の範囲外)SSRT推定が不安定になり、信頼度が低いという表示が付きます。実力はSSRTの値で読んでください。

SSRTは何msなら一般的な範囲ですか?

結果画面では200〜279msを一般成人の平均範囲(約200〜280ms)、200ms未満を非常に速い抑制、280〜349msをやや遅め、350ms以上を遅めと案内しています。ただし端末の入力遅延や年齢、戦略的な待ちの有無で値が大きく動くため、区分の境界近くの差に大きな意味を持たせず、同じ条件で繰り返した推移を見てください。

矢印が出たら少し待ってから押せば、もっと止めやすくなりませんか?

止めるのは上手くいくでしょうが、結果は歪みます。わざと待つと実行反応時間が長くなり、その反応時間分布をもとに計算するSSRTが実際の抑制力より良く出てしまいます。また1.5秒を超えると無反応として記録され、正答率が下がります。矢印が見えたらすぐ押し、赤い枠が出たときだけ止めるのが、自分の抑制力を正しく見る方法です。

この検査でADHDや衝動制御の問題を診断できますか?

いいえ。この課題はLoganとCowanのストップシグナルパラダイムに基づいてSoundaryが独自に実装したセルフチェックツールです。SSRTはADHD・衝動性研究で広く使われる指標ですが、集団平均の差にとどまり個人の診断基準ではなく、診断は病歴と面接、標準化された評価を総合して専門家が行います。日常の衝動性が気になるなら、結果を記録して診療で一緒に見てもらってください。

出典

本課題は次の研究のパラダイムに基づきます — Logan, G. D., & Cowan, W. B. (1984). On the ability to inhibit thought and action: A theory of an act of control. Psychological Review, 91(3), 295–327. · Verbruggen, F., Aron, A. R., Band, G. P. H., Beste, C., Bissett, P. G., Brockett, A. T., … Boehler, C. N. (2019). A consensus guide to capturing the ability to inhibit actions and impulsive behaviors in the stop-signal task. eLife, 8, e46323. 本検査は公開された学術パラダイムに基づく Soundary 独自実装であり、特定の商用検査製品やその検査用紙ではありません。

あわせて受けたい検査

本検査はセルフチェック(スクリーニング)であり、医学的診断ではありません。結果が気になる場合は精神科の専門医にご相談ください。

無料 · 結果はすぐ確認できます